電話越しでも「人の温もり」を伝えられる人

 皆さま、こんにちは。
 平素からたいへんお世話になっております。

 言うは易し、されど行なうは難き「温かみのある会話」という捉えどころのないテーマについて考えてみたいと思います。

 相手の顔や表情、仕草や身ぶりの見えない電話という道具を使った顧客との対応、しかも一期一会の関係とも言っていいコンタクトに「温もり」があるかの鍵は、いわゆる話法やマニュアル、スクリプトの良し悪しに依存するというより、コミュニケータ側の資質として「相手を知ろう・分かろうとする姿勢(心根)」があるかどうかが大きいように感じています。

 それが先ずあってこそ、相手を受け入れ、尊重し、信頼しようとする基本姿勢が準備できるのであり、わずか数分〜数十分の「一期一会の出会い」であっても、良好な関係の構築の基礎ができます。
 逆に、それがない場合には、価値観や暮らし向きが自分(個人)と違う人は受け入れない、拒否する、否定する、対決する、逃げ出す、といったネガティブで後ろ向きの「心の準備」ができてしまうのではないでしょうか。
 ですから、「相手を知ろう・分かろうとする姿勢(心根)」のありなしが、温かみを感じるかどうかの分岐点にすらなるように思うのです。
 それは、理論でもテクニックでもなく資質だと信じます。
 コールスクリプトの良し悪しとは関係なく、商材にも関係なく、温かい人の話はいつも温かくフレンドリーで、冷たい人の話はいつも冷たく素っ気ない。

 苦情の処理やヘルプ、アシストが主となるインバウンドではともかく、アウトバウンド業務ならそういう姿勢はなくても良く、むしろ邪魔なだけなのでは?!とのご指摘もありそうです。
 私たちは、それはイン・アウトには関係なく、どちらもコミュニケータにも必須の、必ず持っておくべき資質であると考えています。
 インバウンドは「受け」で、アウトバウンドは「投げ」という単純な構図で語れるほどコールセンターの使命は単純、軽易ではないからです。
 そこに必須の心構え(心根)として「良好な関係を構築し、維持する」というCRMの真髄と醍醐味が、コールセンターを担い、顧客との接点となるコミュニケータには必要です。

 これを研修や訓練だけで培うことは非常に難しいように感じています。
 研修や訓練を否定するものでは決してありませんが、この限界は実に大きく、相手を知ろうとするか、しないかは研修や訓練で身につく資質や能力というより、コミュニケータが生来備えている資質に拠るところが大のようです。
 コミュニケータの採用に携わる者が採用時点での見極めが必要な所以です。

 「心のこもる」「温かみのある」対応ができるコミュニケータに求められる資質に、先ず第一に、「未知の人にも関心をもって、相手を分かろうとする姿勢があること」を挙げたいと思います。
 それは、面接でもすぐに分かります。面接官や会社を知ろうとする姿勢が見えるかどうか、ただ自分のことをアピールしようとしているのかを見極めるだけですから、さほど難しい判定基準ではないようです。

 皆さまのコールセンターではどうでしょうか?
 「押しの強さ」をアウトバウンドコミュニケータに、「聞き上手」をインバウンドコミュニケータの資質に、と区分けして採用しているといったことはないでしょうか?
 極論かも知れませんが、私はむしろ、アウトバウンドコミュニケータこそ「聞き上手」であるべきで、そのためには他人への関心と興味が不可欠と断言したいくらいです。
 「押しの強さ」は、アポや資料請求の数や成否率といった結果「だけ」を求め、あるいは強いる経営側のご都合主義に過ぎない「二の次要件」であろうとすら考えているところです。

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